ふたつの種族 『ふたつの種族――レーヴィとフランクル』 善意の人間とそうでない人間――フランクル 溺れるものと救われるもの――レーヴィプリーモ・レーヴィとヴィクトール・フランクルによる、ふたつの「ふたつの種族」論。 すなわちある人間が収容所の看視兵に属し... 2004.09.30
問題論 『問題論――哲学的、あまりに哲学的』 問題はそれが適切に記述(定式化)された時点で終わる(解決ではなく)。しかし解答のない問題は問題ではない。問題を定式化すること(=哲学)は、解答を与えないのであるから、いってみれば詮無いことである。しかし... 2004.09.20
哲学/科学/芸術 ドゥルーズ=ガタリの定式化と、それにたいする疑問。 哲学は概念を創造し 科学は関数を創造し 芸術は感覚を創造するいったい「なに」が3つあるのか。人間活動のすべてなのか。「創造行為」なのか。それとも人間活動すなわち創造行為なのか。そこのところ... 2004.09.14
ウィトゲンシュタイン 『ウィトゲンシュタイン――ビルドゥングス・ロマン』 ウィトゲンシュタインの歩みを、「ある種の知的な気分」(©ギルバート・ライル)のアンチ・ビルドゥングス・ロマンとして描く。 『論考』が「批判的に乗り越え」られて『探究』が成ったのではない(『... 2004.08.11
非‐知としてのテクノロジー 『非‐知としてのテクノロジー』 20世紀の科学哲学が大きな成果を残した、「自然科学の認識論的な地位の画定」には興味がなくなってしまった(もちろん、それが重要でないと考えているわけではない)。 いま考えてみたいのは、技術(テクノロジー)をどの... 2004.08.11
記事 夏休みの宿題 ◆『心脳問題』――夏休みの宿題*1 =拙著『心脳問題――「脳の世紀」を生き抜く』についてのスレです(スレじゃないが)。 ちなみに、このスレ(スレじゃ(ry)における筆者たちの願望は、読者のみなさんからいただいたコメントや筆者自身のコメントを... 2004.08.05 記事
思考実験 『思考実験――その意義と功績』 は、筆者の好きな「思考実験」(Thought Experiment/Gedankenexperiment)についてのスレです(スレじゃないが)。古今の哲学者・科学者たちが提出してきた思考実験を筆者の好みにした... 2004.07.24
記事 『心脳問題』――「ライルの方針」 contractioさん(id:contractio)から提示していただいた疑問について考えてみます。 ◇id:contractioさん() ◇id:yakumoizuru(相棒)() 月10日のシンポジウムでご質問を受け、さらに打ち... 2004.07.22 記事
ロマン この十数年間ぼくは自分のなかの「ロマンチック(©The Blue Hearts)なもの」を殺すことに専念してきたといっていいくらいなのだが――そしてそれはほとんど成果を挙げていない、つまり無駄骨ばかり折ってきたというわけなのだが――、ロマン... 2004.07.13
趣味について 『趣味について』 趣味判断と倫理――その条件が問われる/問われない趣味判断 飯―薬―麻薬のスペクトラム――連続的だが異なる3種の享受 対象aと享楽――象徴界/想像界/現実界 2004.06.05
たいていのこと(世人と責任) 世人はいたるところに居合わせてはいるのだが、しかしそれは、現存在が決断を迫るときには、いちはやくつねにこっそりと逃げ出してしまっているというふうに、居合わせているのである。けれども世人は、すべての判断や決断を前渡ししておくゆえ、そのときどき... 2004.06.04
17年ゼミ(続) 17年ごとに米東部で大発生することで知られる「17年ゼミ」の羽化が本格的に始まった。6月末にかけ数十億匹が羽化するとみられており、今年の米東部はセミの鳴き声で騒々しい初夏を迎えそうだ。数十億匹、多ければ数兆匹……すごい。 17年周期……なぜ... 2004.05.18
山椒魚の話 この書物には虚構の人物も虚構の出来事も描かれていない。人物も場所もすべて実名で語られている。イニシアルを使った場合は、個人的な配慮によるものである。まったく名前が示されていない場合は、人間の記憶がそれらの名前を憶えておくことができなかったか... 2004.05.09
どんなことでもわかってしまう #1 「最新科学にもとづいた人間論」の意味を考えてみる。典型的なのは脳や遺伝子にかんする科学的知見を利用したもの。世の中には「車内で平然と化粧する脳」とか「ゲーム脳の恐怖」とか「浮気する遺伝子」とか「鉄人のDNA」とかいうコトバがあふれている。真... 2004.05.04
想像と思考 このことをはっきりさせるために、私はまず第一に、想像のはたらきと純粋な悟性のはたらきとの間にある相違を検討することにする。たとえば、私が三角形を想像するとき、私はそれが三つの線によって囲まれた図形であることを理解するばかりでなく、同時にまた... 2004.04.12