ほん@東大生協

40年以上の歴史を誇る東大生協の書評紙『ほん』に、拙著『理不尽な進化』の書評が掲載されました。

  • 『ほん』第391号、東大生協「ほん」編集委員会

決して晦渋な言葉が羅列されているわけでもなく、論理展開や章立ても明晰で、全く読みづらい本ではないはずなのだが、なぜだか読み終えた時、長い道のりを歩ききった後に筋肉の奥のほうに感じるような、達成感まじりの火照りと疲れに読者は気付かされるはずだ。(中略)葛藤の場としての進化論という舞台には、さまざまな論客が登場し、それぞれの意見を披歴していくが、著者はそれらをアクロバティックに纏め上げながらも、常に紹介する議論の側に真摯に寄り添い、時には感情移入しながら語るので、読んでいるこちらはまるで著者の思考過程、その軌跡を追体験しているような気分になる。一緒になって知的興奮を味わうのだから、疲れるわけである。だが何よりそれは、人間的な営為に常に付き纏う、避けがたい理不尽さの実践であるとも言えるだろう。

たいへんうれしい内容でありました(それだけではなく、名文でもあります)。ありがとうございます。ひとりでも多くの学生さんに読んでもらえますように。

理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ

理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ

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