テレビでアテネ・オリンピック卓球女子シングルス2回戦を観る(*1)。
日本の福原愛選手(15歳)とオーストラリアのミャオ・ミャオ(*2)選手(23歳)の対戦。福原氏は「愛ちゃん」の愛称で親しまれる天才卓球少女で、これがオリンピック初出場となる。対するミャオ氏は中国生まれでポーランドに移住、そして現在オーストラリア代表という、ちょっとおもしろい経歴をもつ(名前もイカしてるが)。
試合のほうは接戦の末に福原氏がものにしたのだが、筆者が強く胸を打たれたのは、ミャオ氏の異様なまでの冷静さである。ポイントを取っても取られてもまったく動ずる気配なく、かすかな微笑みをたたえながら淡々とプレイをつづけていく。そんなはずはないのだが、汗すらかいていないようにも見える。ついつい、その端正なお顔の近くに、「べつに。」などと吹き出しをつけてみたくなるくらいであった。
そんなミャオ氏だが、一回だけ、遠いアテネから鳥取の片田舎に住む筆者にも聞こえてくるような(*3)大きな声を上げるシーンがあった。福原氏にマッチポイントを献上することになったサービスミスの瞬間である。「あっ」という声とともに、そこに映しだされたのは(*4)、悲痛というよりは寂莫とでも形容するのがふさわしいようなミャオ氏の複雑な表情であった。
ミャオ氏の今後の動向にぜひとも注目していきたいと決意した夜であった。
追記:写真はソウル・オリンピッ……失礼、鳥取県米子市少年少女育成卓球大会・中学の部で筆者が優勝したときにもらった金メダル。
- (*1)オリンピックには興味ないのだが、卓球だけには若干注目。
- (*2)本当に「ミャオ・ミャオ」。
- (*3)あたりまえだ。テレビだもん。
- (*4)©浅井健一
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