サール『Mind』翻訳/エディ・ヴァン・ヘイレン紀元

昨日は相棒(id:yakumoizuru)と進行中の単行本翻訳について、出版社の方々と久しぶりに打ち合わせをした。いよいよだなぁ、と身が引き締まる思いである(ついでにボディも引き締まってくれたら一石二鳥なのだがそうは問屋が以下略)。

目下鋭意翻訳中の本とは下記の作品(雑誌『考える人 創刊三周年記念特集*「心と脳」をおさらいする』(2005年夏号)のブックガイドなかで密かに宣伝しておいたので、ひょっとしたらご存じの人もいるかもしれません)。

  • John R. Searle, Mind: a brief introduction, Oxford University Press, 2004

Mind: A Brief Introduction (Fundamentals of Philosophy)

Mind: A Brief Introduction (Fundamentals of Philosophy)

著者はアメリカの哲学者ジョン・R・サール(John R. Searle, 1932- )。J・L・オースティンを引き継いだ言語行為論(Speech Act Theory)の展開や、「強いAI(人工知能)」のアイデアに批判を加えた「中国語の部屋」の思考実験、それにあの「デリダ‐サール論争」などから、その名前をご存じの人もあるかもしれない。けれど、現在の彼の中心テーマである「心の哲学」(Philosophy of Mind)や、そこから組み立てられた独自の社会理論が(とくに日本では)あまり知られていないように思えるのは残念。

本書はその「心の哲学」(Philosophy of Mind)(*)の良質な入門書――当分野の包括的な紹介とともに自説をも明確に打ち出した作品――となっております。サールの見解に賛成するかどうかは人それぞれかもしれないけれど、この分野に関心のある人は読んでおいて損はない(はず)。今秋刊行を目標に可及的速やかに作業中。

目次は下記のとおり。

John R. Searle, Mind: a brief introduction / Contents
Acknowledgments
Introduction: Why I Wrote This Book
1. A Dozen Problems in the Philosophy of Mind
2. The Turn to Materialism
3. Arguments against Materialism
4. Consciousness Part I: Consciousness and the Mind-Body Problem
5. Consciousness Part II: The Structure of Consciousness and Neurobiology
6. Intentionality
7. Mental Causation
8. Free Will
9. The Unconscious and the Explanation of Behavior
10. Perception
11. The Self
Epilogue: Philosophy and the Scientific World-View
Notes
Suggestions for Further Reading
Index

Searle Central: Writings by Searle, or concerning SearleSelected Cognitive Science Related Resources on the Web提供

Mind: A Brief Introduction (Fundamentals of Philosophy)

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Mind, Language And Society: Philosophy In The Real World (Masterminds)

Mind, Language And Society: Philosophy In The Real World (Masterminds)

 *-*

気合いをいれるために、ヴァン・ヘイレンの2枚組ベスト盤を聴いてみる。

  • Van Halen, The Best of Both Worlds, Warner, 2004

The Best of Both Worlds (Digi-Pak)

The Best of Both Worlds (Digi-Pak)

1曲目は「Eruption」(邦題=「暗闇の爆撃」)。ファーストアルバム『Van Halen』(邦題=『炎の導火線』)に収められ、その「見たこともないようなギターの弾き方」(©甲本ヒロト)で世界中のギター小僧(およびギターおやじ)を驚倒せしめたエポック・メイキングな作品(いわゆる「エドワード・ヴァン・ヘイレン紀元」(*)の成立。今年は紀元28年になる)。ちなみに、わたしはずいぶんあとになって、その「見たこともないようなギターの弾き方」が「ライト・ハンド奏法」と呼ばれるのだということを知った。

  • (*)すみません。いまつくりました。

そういえば、この『炎の導火線』を教えてくれたのも年長の親類マー兄ちゃんだったなぁ(矢沢永吉『成りあがり』とともに)。

Van Halenワーナーミュージック・ジャパン

Van Halen

Van Halen

コメント

  1. SQB より:

    「エドワード・ヴァン・ヘイレン紀元」って良いですね。私もこのアルバムに度肝を抜かれたギター小僧のうちの一人です。まさに、ロック・ギターの新しい時代が始まった!という感じでした。今聴いても痺れるです。

  2. clinamen より:

    お返事遅くなりました。コメントありがとうございます!
    SQBさんもそうでしたかぁ。それにしても「暗闇の爆撃」はすばらしい邦題だと思います。『炎の導火線』はともかくとして…

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