21世紀の資本と理不尽な進化

アメリカにつづき、日本でも大ブレイク中のトマ・ピケティ『21世紀の資本』(みすず書房)。昨日、東京・新宿の紀伊國屋ホールで行われた刊行記念トークイベント(訳者の山形浩生氏と経済学者の飯田泰之氏が対談)で聞いたところによれば、すでに13万部が売れたのだそうです。リリースからたったひと月。しかも定価5940円で13万部。売上だけで考えると文庫本が100万部ちかく売れたくらいの金額になります。すごいですね。

さて、拙著『理不尽な進化──遺伝子と運のあいだ』(朝日出版社)のアマゾン商品ページを見ると、昨年末あたりから「よく一緒に購入されている商品」のコーナーにこの『21世紀の資本』が現れるようになりました。

このところ同コーナーはずっとこの本。なぜだかよくわからないが、ありがたいことであるなあと思っていたら、同書の併読傾向についての記事が出ました。いつも有益な情報を提供してくれる日販マーケティング本部の古幡瑞穂さんによるものです。

『21世紀の資本』併売動向からの注目本として、筆頭に『理不尽な進化』を挙げてくださっています。

ピケティ読者は政治経済だけにとどまらず、理系の本の併読も目立ちます。「進化論」については学校でさわりを聞いたくらいのレベル。様々な論争が起こっている(起こってきた)ということくらいは知っています。生物種の99.9%は絶滅するのだとした上で、絶滅の視点から進化論を論じた話題の本。理系の本と勝手に分類しましたが、科学のイメージをまとった思想本なのかもしれません。

併読動向からは、「ピケティ読者は売場や広告でジャンル問わず話題の本をキャッチしている」とのことで、拙著も話題の一冊としてピケティ読者のアンテナにひっかかったのかもしれません。だとしたらたいへん光栄なことであります。拙著のまえがきでは大西巨人氏を引用して、「著書をあえて公に刊行した以上、それが三億部か三十億部か売れることも願望せざるをえない」と書きましたが、とりあえずピケティを目標にがんばろうと思います。

以上、ピケティ便乗記事でした。

21世紀の資本

21世紀の資本

理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ

理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ

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