『科学哲学』@文庫クセジュ

著者ドミニック・ルクールについては、『ポパーウィトゲンシュタイン――ウィーン学団論理実証主義再考』(国文社)、ガストン・バシュラール『科学認識論』(白水社)の編集、それにジャック・ブーヴレスが投げつけた強烈な皮肉(『アナロジーの罠』の註@181頁)でしか知らない。偉い人らしいのだが、単著の邦訳はこれで2冊目のようだ。

  • ドミニック・ルクール『科学哲学』沢崎壮宏、竹中利彦、三宅岳史訳、文庫クセジュ891、白水社、2005

科学哲学 (文庫クセジュ)

科学哲学 (文庫クセジュ)

下記は白水社による紹介文。

多くの科学者をとりこにする哲学に、迫る!
ウィーン学団バシュラールを経てクワインやハッキングへと至る、サイエンスの目的と方法をめぐる探究──科学哲学に、見取り図を与える! 理系も文系も得心する、入門書の決定版。
via http://www.hakusuisha.co.jp/FMPro?-db=shosekidata.fmj&-format=detail.html&ISBN=4-560-50891-7&-Find

ウィーン学団からハッキングへといたる!? うーん、ちょっと読んでみたくなった。

Dominique Lecourt – Académie de Toulouse

追記

以上、簡単に(ずいぶんそっけなく)書いてしまったのだが、ウラゲツ☆ブログさんから詳細で有益な紹介文が!

ウラゲツ☆ブログ > 必読新書!ルクール『科学哲学』文庫クセジュ(2005年8月21日)

フランスのエピステモロジー/科学哲学の系譜から本書の「活用法」、本書を補完する推薦書までが解説されている。ありがたい。

ポパーとウィトゲンシュタイン―ウィーン学団・論理実証主義再考

ポパーとウィトゲンシュタイン―ウィーン学団・論理実証主義再考

科学認識論

科学認識論

アナロジーの罠―フランス現代思想批判

アナロジーの罠―フランス現代思想批判

コメント

  1. urag より:

    毎度です。TBをありがとうございます! 科学哲学系の書き手は時として論敵からその方法論を行き過ぎだと責められることがままあるようです。ルクール然り、グランジェ然り。アルチュセールの弟子のバリバールもそう評価されたことがあります。ラディカルさゆえに、ですね。それを行き過ぎと見るか、厳密な徹底と見るか。

  2. clinamen より:

    こちらこそ、貴ブログでの解説をありがたく拝読しました。わたしの手抜き記事だけがネットを浮遊する事態を避けることができてよかったです。これでルクール氏も草葉の陰で(いやいや、まだお元気でしたね。失礼しました。>ムシュー・ルクール
    また、ジル=ガストン・グランジェは、わたしにとっても今後きちんと取り組んでみたい書き手のひとりです。

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