これもついに出ました。
- カール・マルクス『マルクス・コレクションI』中山元、三島憲一、徳永恂、村岡晋一訳、筑摩書房、2005
- 作者: カール・マルクス
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/06/24
- メディア: 単行本
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【収録作品】
『デモクリトスとエピクロスの自然哲学の差異』
「ヘーゲル法哲学批判 序説」
「ユダヤ人問題によせて」
『経済学・哲学草稿』
学位論文『デモクリトスの自然哲学とエピクロスの自然哲学の差異』(1841)を収録。これまでわたしが読んだのは『マルクス=エンゲルス全集』版(第40巻、岩崎允胤訳、大月書店)。今回、中山元氏の日本語訳で再読できるようになったのはたいへんうれしい。
デモクリトスとエピクロスの自然哲学は同じものであり、エピクロスの自然哲学は恣意的な思いつきで、デモクリトスの自然哲学を作り替えたものにすぎないという古くからの偏見があるからだ。それに個々の点については、微細な違いに分けいらざるをえなくなる。この偏見は哲学の歴史とともに古いものだし、二人の自然哲学の違いはわかりにくく、顕微鏡でも使わなければはっきりとはみえないようなものだ。
しかしエピクロスとデモクリトスの哲学がこれほど密接に結びついたものでありながら、二人の自然哲学には本質的な違いがあることを、きわめて微細な小さな細部にいたるまであらわに示すことができれば、その意義は大きいだろう。細部でその違いを証明できれば、もっと大きな次元でその差異を指摘するのは容易なことだ。ところが一般的に考察しただけでは、それが個々の細部でもあてはまるかどうかは、不明なままなのである。(同書、pp.19-20)
◇マルクス・コレクション – 筑摩書房
http://www.chikumashobo.co.jp/top/marx/index.html
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