少人数で哲学書を読む猫町倶楽部の読書会企画。第一弾はカント『純粋理性批判』でした。第二弾が本日から始まります。課題図書はハンナ・アーレント『エルサレムのアイヒマン』。
- 【読書会】吉川浩満の哲学サロン第二期 ハンナ・アーレント『エルサレムのアイヒマン』(全5回)
全5回でゆっくりじっくり読んでいきます。
http://www.nekomachi-club.com/schedule/59231
■課題本:ハンナ・アーレント著『エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告』※版は自由
■参加条件:毎回指定される範囲の読了
■開催日:
第一回 10/31(水)第一章、第二章、第三章
第二回 11/29(木)第四章、第五章、第六章
第三回 12/26(水)第七章、第八章、第九章、第一〇章
第四回 1/30(水)第一一章、第一二章、第一三章
最終回 2/27(水)第一四章、第一五章、エピローグ、追記※11月のみ木曜日となっております。ご注意ください。
■タイムテーブル(若干の変更がある回もあります。予めご了承願います。)
19:00 受付
19:15 オープニング
19:30 レクチャー(60分)
20:30 休憩
20:45 読書会(90分)
22:15 終了
■会場:山崎文庫(六本木駅から徒歩3分)
■参加費:全5回 税別35000円(毎回1ドリンクと軽食付)※定員になり次第、受け付けを締め切ります。
※10月22日以降のキャンセルによる参加費の返金は原則としていたしません。
(下記のキャンセル規定を必ずご確認ください)
※参加者が一定数に達しない場合など、やむを得ず講座の開催を中止することがあります。その場合、お支払い済みの参加費は返金致します。
※ファシリテーターの急病や事故天災地変などのため、やむを得ず中止になった場合は日程を再調整して開催致します。
※毎回指定される範囲の読了されていない方は参加をお断りすることがあります。その場合の返金は致しませんのでご注意ください。***************ごあいさつ 文:吉川浩満******************
シリーズ第2弾の課題図書はハンナ・アーレント『エルサレムのアイヒマン──悪の陳腐さについての報告』(みすず書房)です。
1960年5月11日、アルゼンチンにて逃亡生活を送っていた元ナチス幹部が諜報機関モサドによって捕らえられ、イスラエルへと連行されました。捕らえられた元幹部はアドルフ・アイヒマン、数百万のユダヤ人を強制収容所へ移送するにあたって指揮的役割を担ったとされる人物です。彼はそのままイスラエルで裁判にかけられ、有罪・死刑判決が下されたすえに、絞首刑に処されます。本書は、このアイヒマン裁判の一部始終を取材した哲学者ハンナ・アーレントが残した迫真のレポートです。
アーレントが本書で提示した「悪の陳腐さ」「凡庸な悪」は、現代社会における悪の典型を一撃で表現する名フレーズとして盛名を馳せました。聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。そしていちど知ったが最後、もうこの概念なしにものを考えることはできなくなるのではないでしょうか。でも、このパンチラインがどこから、どのような状況のもとで生みだされたかを、書物に分け入って追跡してみた人はどれだけいるでしょうか。
今回の読書会ではそれに挑みます。全5回をかけて本書をゆっくりじっくりと読み進めながら、また、互いに感想を述べあい、意見を交換しあいながら、我々の日々の生活とも決して無縁とはいえない「凡庸な悪」の問題について考えていきたいと思います。読書会未経験という方でも心配はご無用、定評ある猫町倶楽部の読書会ですから、安心してご参加いただけます。
もうひとつ、このシリーズの売りは、というか売りにできたらと思うのは、水先案内人をつとめさせていただきます小生がご用意する資料とレクチャーです。毎回60分ほど、これまで収集してきたさまざまな文字資料、映像資料を駆使したレクチャーを行う予定です。参加者のみなさんの読解と議論のお役に立てればと思います。俺の収容所関連資料フォルダが火を噴くぜ……。
世評高い『エルサレムのアイヒマン』、読みたいと思いながらも二の足を踏んでいたという人も多いかと思います。この機会に挑戦してみませんか。
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