- マルティン・ハイデッガー『哲学への寄与論稿(性起から〔性起について〕)』大橋良介、秋富克哉、ハルムート・ブフナー訳、ハイデッガー全集65 創文社、1995
哲学への寄与論稿-性起から(性起について)- ハイデッガー全集 第65巻
- 作者: ハイデッガー,辻村公一,秋富克哉,大橋良介,ハルトムートブフナー
- 出版社/メーカー: 創文社
- 発売日: 2005/06
- メディア: 単行本
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先日も紹介したこの邦訳、これから読もうとしている場合(専門家以外の人。専門家は当然すでに原著を読んでいるでしょうから)には、下記ウラゲツ☆ブログの記事が参考になります。
◇ウラゲツ☆ブログ > ハイデッガー全集第65巻「哲学への寄与論稿」
http://urag.exblog.jp/2080294/
また、拙サイト「哲学の劇場」内の(中期)ハイデガー本にかんする拙文を2点ほど紹介しておきます。10年ちかく前に書いた単なる「要約」「読書ノート」だけど、なにかの参考になれば。
◇哲学の劇場 > Geo-Philosophical Map > ハイデガー『「ヒューマニズム」について』
http://www.logico-philosophicus.net/gpmap/books/HeideggerMartin001.htm
◇哲学の劇場 > Geo-Philosophical Map > ハイデガー『世界像の時代』
http://www.logico-philosophicus.net/gpmap/books/HeideggerMartin002.htm
『哲学への寄与論稿』を読まれた人はブログかなんかになんかを書いてください。それ参考にさせていただきます(互助精神)。
ハイデガーなる人物の略歴、作品などについては下記をどうぞ。
◇哲学の劇場 > 作家の肖像 > ハイデガー, マルティン
http://www.logico-philosophicus.net/profile/HeideggerMartin.htm
コメント
こんにちは。TBをありがとうございます。ハイデガーの思想は挑んでみる価値のある「深淵」だと思います。月曜社では、昨今ユンガーの本を手がけているために、ハイデガーと交差する批判的地点が生じているのですが、そうした批判的交点にいつか(すでに?)足を踏み入れることになるのかもしれません。
ブログを拝見するにuragさんはすでにハイデガー/ユンガー/シュミットの交点に足を踏み入れられていますね。;-) 月曜社さんの続刊、ユンガー『労働者(Der Arbeiter)』も、とても楽しみにしています。わたしの場合、(わたしが理解できるかぎりでの)ハイデガーはあまりにおもしろすぎてなにか一種の「罠」(=戻ってこれない「深淵」)のような気がすることがあります。カルナップなどを読んでとりあえず解毒しようとしていたのですが、カルナップを読むと余計にまたハイデガーを読みたくなったりもします。そんなところに『哲学への寄与』が翻訳刊行されて、じつはいまちょっと困っているところです(べつに困らなくてもいいかもしれませんが
clinamenさんの仰る「あまりにおもしろすぎてなにか一種の「罠」(=戻ってこれない「深淵」)のような気がする」というのはとても共感できます。ちなみに私の場合、魅入られたように読んでいる最中にふと「自分は騙されているんじゃないか」と思った書き手に、アドルノとブランショがいます。騙されているというと聞こえが悪いですが、ふと我にかえる瞬間があったことがあります。ハイデガーはなぜか騙された気がしない。たぶん自分なりに、スレスレで距離を保とうとしているからだと思います。ハイデガーには長大な『労働者』読解本がありまして、ドイツ語原書では今年に入ってからだったか去年だったか、刊行されましたね。彼らの思想的布置の「星座」がより鮮明に見えてくるのは、これからなのかもしれません。
そう、その「魅入らされている=騙されてるんじゃないか感」! uragさんの場合はアドルノとブランショなのですね。どのような読書体験をなさっているのか、いつかお話を伺えたらうれしいです。ところでハイデガーに『労働者』読解本があるとは不覚にも存じませんでした。ご教示ありがとうございます。調べてみたら創文社版全集第90巻……いつ出るのでしょうね……。