書評『戦後入門』☆新潮

文芸誌『新潮』に書評を寄稿しました。12月7日発売。

  • 吉川浩満「イスクラ=火花の系譜学|書評:加藤典洋『戦後入門』」、『新潮』2016年1月号、新潮社

新潮 2016年 01 月号 [雑誌]

新潮 2016年 01 月号 [雑誌]

書評の対象は、加藤典洋『戦後入門』(ちくま新書)。この本は、加藤さんが1985年の『敗戦後論』から追究してきた「戦後」についての考察と提言の集大成です。

先日のじんぶん大賞のトークイベントでも、本書について暑苦しく語ってしまいました。

「飲み込むのに苦労する」とは、本書が、多くの優れた本がそうであるように、読む側(=私)の認識と判断を揺るがすような本なので、読解し消化するのにたいへん苦労した(まだ消化しきれず苦労している)、という意味でした。

実際、書評を書くのにもめちゃくちゃ苦労しました。一冊の書評でこんなに苦労したのは初めてです。とはいえ書き物には締切というものがあるので、締切日に観念して書き上げて編集部に提出しました。すでに印刷され、製本され、いまごろ全国の書店に向けてトラックに揺られていることでしょうが、正直なところ、あれでよかったのだろうかと、いまだに悶々としています。こんなことも初めてです。とにかく、とんでもない労作。ひとりでも多くの人に読んでもらいたいと思います。

下記の書評と関連記事もあわせてご覧ください。

戦後入門 (ちくま新書)

戦後入門 (ちくま新書)

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