初登場☆WIRED INNOVATION INSIGHTS

ウェブ版『WIRED』誌の「INNOVATION INSIGHTS」に寄稿しました。

ギルバート・ライルの包丁でイノヴェーション論を三枚におろすエッセイ。イノヴェーションそのものには1ミリも役に立たないと思いますが、ご笑覧ください。

  • 吉川浩満「イノヴェイションについて語るとき、わたしたちが語ること」、WIRED INNOVATION INSIGHTS、2015/11

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『WIRED』は個人的に思い出深い雑誌です。十数年前、ヤフーで働いているときに紙版『WIRED』誌から取材を受けたことがあります。まだ書棚に残っているだろうか、どうだろうか。

「INNOVATION INSIGHTS」は、日本版『WIRED』がIBMとコラボレーションして立ち上げたサイトで、「ビジネスやカルチャー、アートなど各界におけるイノヴェイションのリーダーたちに、インサイト、つまり洞察を寄稿していただく「コントリビューターズ・サイト」」とのこと。夏に掲載された認知神経科学者の飯島和樹さんの文章「ぼくたちの創造的な〈言語能力〉にこそ、イノヴェイションを生み出す鍵がある」は記憶に新しいところ。

なお、掲載の際に編集上の都合で註が省略されたので、念のため以下に貼っておきます。註の場所はだいたい見当がつくはず。

  1. ヴォルテール『カンディード 他五篇』植田祐次訳、岩波文庫、2005、p.459
  2. ヨーゼフ・シュンペーター『経済発展の理論――企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究』上・下、塩野谷祐一ほか訳、岩波文庫、 1977
  3. 大澤真幸「社会性の起原」18-19、『本』講談社、2015のプラスアルファ論から大きな示唆を得た。
  4. ギルバート・ライル『心の概念』坂本百大ほか訳、みすず書房、1987
  5. 山本貴光、吉川浩満『心脳問題——「脳の世紀」を生き抜く』朝日出版社、2004
  6. ジョン・R・サール『MiND——心の哲学』山本貴光、吉川浩満訳、朝日出版社、2006
  7. クレイトン・クリステンセン『イノベーションのジレンマ――技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』玉田俊平太監修、翔泳社、2001
  8. W・ブライアン・アーサー『テクノロジーとイノベーション――進化/生成の理論』有賀裕二監修、みすず書房、2011|ケヴィン・ケリー『テクニウム――テクノロジーはどこへ向かうのか?』服部桂訳、みすず書房、2014|リチャード・ドーキンス『利己的な遺伝子 増補新装版』日高敏隆ほか訳、紀伊國屋書店、2006
  9. 吉川浩満『理不尽な進化——遺伝子と運のあいだ』朝日出版社、2014
  10. カール・マルクス「フォイエルバッハに関するテーゼ」、フリードリヒ・エンゲルス『フォイエルバッハ論』松村一人訳、岩波文庫、1960

ヴォルテールなんてどこに出てくるんだと思われるかもしれませんが、これは元原稿にあったエピグラフの出典(これも削除)。例のカンディードの最後の台詞、「お説ごもっともです。しかし、ぼくたちの庭を耕さなければなりません」というやつ。

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